太るかもしれない、とわかっていながら、どうして食べ過ぎてしまうのでしょうか?

「そんなもん、お腹が減るからに決まってるでしょ!」との声が聞こえてきそうですが、食べ過ぎる理由は空腹だけとは限りません。
 
過食の理由およびメカニズムとしては、主に三つが考えられています。

満腹を感じる血糖値が高い

一般に満腹を感じる血糖値は120mg/dl前後と言われています。
 
しかし空腹を感じる時間が多く、常に何か食べている人(結果的に太っている場合が多い)は、満腹感を感じる血糖値が高く設定されているとの説があります。
 
普通の人よりたくさん食べないと満腹を感じないというわけです。
 
必然的に摂取カロリーは増えるので太りやすくなります。
 

インスリン

太っている人の多くに、インスリンの過剰分泌が確認されています。
 
インスリンは血糖値を下げるだけでなく、空腹中枢を刺激して食欲を喚起する作用も有しています。
 
そのため、インスリンの分泌量が多いと空腹を感じる機会も多くなるのです。
 

ストレス

食事がストレス解消の手段となるのは、誰でも一度は経験しているのではないでしょうか。
 
いわゆる「ヤケ食い」の類であり、これは食欲や空腹感を満たすための食事とは別種の摂食行動です。
 
ストレスを感じると過食傾向になるのは、人間だけではありません。
 
ストレスを与えられたマウスは食事の量が増え、それにつれて体重も増えることが実験でわかっています。
 

 
いわゆる太りやすい体質にはいろいろな要因がありますが、その中でもカロリー摂取に関わる上の三つの要素は大きな割合を占めています。
 
これらの理由が思い当たる場合「食べたい」という主観ではなく、食べる量、摂取カロリーといった客観的な基準で食事をコントロールする必要があります。